住宅業界のことを深く考えるなら。
私は1971(昭和46)年大学を卒業し外資系商社に勤務したが、79年に教育産業に転じ、以後長年にわたって進学教育畑を歩んできた。82年、大阪の学習塾「教育総研」の創業に参加し、教育産業のシステム化を成功させ、88年に同社の株式店頭公開を果たし、常務取締役事業本部長に就任した。世の中の縁とはわからないもので、私が住宅産業に身をおく運命となったのも、このときの教育総研の株式公開がきっかけだ。自分の会社の株が店頭市場に登録されたのを機に、まず広島県福山市にあるわが家族の長年の住みかであるポロ家を新築しようと考えたのだ。その施工を頼んだのが、地元の中堅住宅メーカーである「カナダホーム」だ。建築工事の打ち合わせの席上、私は日ごろ胸のうちに感じていた日本の住宅産業に対する不満と改善点を、このときとばかりに同社の社長に吐き出した。ところが、それほどまでに住宅業界のことを深く考えているなら、うちにきてくれないか、と話は思わぬ方向へと発展してしまったのだ。教育総研で公開準備にたずさわった経験を買われ、内部管理体制を整備する役割を期待してのことでもあった。1990(平成11)年、同社に副社長として迎えられ、翌91年には代表取締役社長に就任した。
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