屋根裏部屋での思い出。
屋根裏部屋で作成された中期経営計画は、今日なお生きている。いまでもはっきりと覚えている光景がある。大都市圏の地価が暴落した1992(平成4)年も終わろうとする12月初め、街にはジングルベルのメロディが流れ始めていた。この夜も、めいめいの仕事を終えて、志を同じくする仲間たちが、屋根裏部屋に集まってきた。私の妻の手づくりの夜食をパクつきながら住宅革命をめぐる熱き語らいはいつものことだが、この夜の話し合いは1段と真剣味をおびていた。いよいよ練りに練った構想を、実践へと移す日、つまり新会社を立ち上げる日を明けて翌年の1月と決め、今月中に全員そろってそれぞれの職場に辞表を出す手はずとなっていたためだ。なぜ、当時社長として在籍していた会社組織を活用して取り組まなかったのか、と尋ねられることがある。言われるまでもなく、私もいくたびとなくそのことは考慮し、屋根裏部屋の議論のなかでも検討を重ねたテーマでもある。カナダホームは、ツーバイフォーエ法を得意とし、専用の工場も持ち、中堅の住宅メーカーとして地元で一定の信頼と実績を得ていた。しかし、それだけに、すでに出来上がった組織でもあった。
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