現在の日本の住宅環境では。

現在の日本の住宅環境のなかでは、不惑どころか、住まいづくりに大いに惑わされ、人生の道半ばにして重いローンを背負わされ、深いため息をついているのが、日本の40歳の偽らざる姿ではないだろうか。歌人・窪田空穂の高弟、宇都野研が詠んだ歌です(朝日新聞「折々のうた」より)。彼は愛知県から1高、東大医学部を経て小児科医となった人物だが、昭和初年代に全体主義が黒雲がわくように急速に世を覆い、庶民の生活にも重苦しい雰囲気が漂いはじめた状況を憤り、この歌をつくったといわれている。歌調は直裁だが、それだけに強い志が込められている。私が、住宅革命を志す原点も、まさにこの歌のように素朴な疑問から発している。生産性の薄いネギ畑が一朝にして莫大な富を生む一方、汗水たらして一生涯日々の労働に励む者が、みずから1戸の家を持つことも難しい。なぜ、こんなおかしな状態が、世界有数の高度な産業技術と世界第2位の経済力を擁する国家において、まかり通っているのか。なぜ、多くの人が、人生の貴重なライフステージである住まいづくりを、みずから楽しむことができな明らかに、住宅をめぐる日本のメカニズムは大きく間違っている。私は、最初から住宅業界に身をおいた人間ではないので、そのことをひとしお痛感するのかもしれない。

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